漢方医学の考え方

中国医学の考え方や理論は科学的ではありません。それは大宇宙一や小宇宙との調和や、バランス、自然の摂理といったものが根元にあるからです。人間の生命は、気·血·水、三つの要素の活動からなり、全ての一病はこれらのバランスが崩れることから起因すると考えられます。また患者個人の体型、肌の色艶、目の色や輝き、症状などから陰陽を判断し、薬を処方して行きます。西洋医学でどんなに素晴らしい新薬を開発しても、0%以下の人にしか効き目は無く、同じガンにかかっても同一の抗癌剤が効く人と効かない人がいるのは何故か。全く解らなかったので医師個人の判断で大量に投与して副作用を増幅させ、かえって寿命を短くしたり苦しめたりといったことが繰り返されたりしてきました。しかし、ついに2001年2月に遺伝子研究が進みヒトゲノム(人の遺伝子)の全容が明らかになり、その原因が解ってきました。たとえば、ある抗癌剤に関わるタンパク質を設計する遺伝子の配列がチミンからグアニンに一塩基変わっただけで、遺伝子の働きが変化し、抗癌剤が効かないといったことがおこるのです。近い将来には、患者個人のSNP(単一塩基変異多型)を調べ、個人に合った薬を処方することが出来るようになるでしょうが、副作用の問題まで解決するには時間がかかります。その問題も、陰陽というマクロでとらえていた中国医学には敬服させられます。ガンが発見されても実生活に影響無く、種れや痛み、食欲の低下など無い、又は少ない人を、陰症といい元来体の丈夫な実の人であるといいます。そして全て症状が出て、もともと体の弱い人を陽症で虚の人であると分類します。